エスニック

最終更新日:2006年7月5日

6月28日の「今日の課題」での質問と回答です


質問 回答
@費用便益分析、秋田中央道路、割り算でなく引き算「便益−費用」で測る方がよいのでは?
A赤バス−青バス問題、供給が変わるのだから新しい関数を作るべき。
@確かに割り算と引き算では、意味が異なりますが、主に割り算の結果を評価指標とすることが多いです。
A質問の意味が少しよくわかりませんが、ロジットモデルのIIA特性を示す例として使用される有名なお話です。
費用便益分析の「社会的割引率」はどうやって決められるのか 銀行の利子率や物価上昇などを考慮して決定されます。「公共事業評価の費用便益分析に関する技術指針」(平成16年2月、国土交通省)では、社会的割引率を4%と定めています。しかし、この値を何%するかによって、費用便益分析の結果が大きく異なるため、社会的割引率の設定方法は費用便益分析手法高度化における主要検討課題の一つとなっています。
バリアフリーにまで経済原理を導入するとのことでしたが、権利を経済原理で制限するのはいかがなものかと思う。財政上厳しいのかもしれないが、経済原理を導入するに至った経緯と、権利と経済をどういう形で天びんにかけるのかということをもっと知りたい 厳しい財政状況の下で、より効果的・効率的なバリアフリー化事業の実施や、様々なバリアフリー化事業の優先順位を決定する上でも、施策の経済効果を評価することも求められてきています。ただ、バリアフリー化事業の場合の便益計算においては、通常の道路整備の便益計算の項目とは異なる内容を考慮することが必要でしょう。
三段階予測モデルと非統計モデルは難しかった。まだ理解しきれてない部分がある。 「四段階予測モデル」、「非集計モデル」のことでしょうか?
「パークアンドライド」で成功している自治体があるのか? あります。例えば「交通工学研究会(2002)成功するパークアンドライド失敗するパークアンドライド−マーケティングの視点から考える」という本を読んでみてください。
@交通工学の理論が現実の社会資本整備政策においてどのように利用されているのか。
A交通需要予測やピークロードプライシングは、今後少子高齢化、共生社会化、国際化、財政制約の厳格化が進展する中にあってどのように手法を変えていくべきか、どのような要素を含めていくべきか。
@「交通工学」は英語ではtraffic engineeringであり、特に「道路交通工学」を意味します。道路の設計や信号制御等に大いに生かされています。
A人口減少社会という視点では、これまでのように交通需要が増加するばかりではないケースが多いことが予想されるため、従来よりもよりきめ細かな予測手法(入力変数やモデルの構造など)が求められています。
バリアフリーというと、段差をなくすことに重点が置かれているように感じられます。鉄道駅にはエレベータが設置されていますが、乗車駅と降車駅でエレベータの位置がバラバラであったりします。足の不自由な人のことを考えると動線なども考える必要があるのではないでしょうか? 動線を考えることはもちろん重要ですが、各駅において空間的な制約や諸々の事情があり、エレベータの位置を統一することは難しいでしょう。
最初の授業で配布された、去年の期末試験の問3のBの「人キロ」とはどういう意味ですか? 一人一人の移動距離を対象地域の人々で合計したものです。車について同様の指標は「台キロ」です。
今日のことで申し訳ないのですが、バリアフリーを条例でもっと店舗などに強制できないのですか。限界があるならどういった事が限界なのでしょうか。身内に車いすを使用しているのがいるので知りたいです。やはり最後に述べていらしたように資金、経済効果の見積もりが進まないと無理なのでしょうか。 法律や条例は実現手段を伴わなければ、効力を発揮しないでしょう。例えば既存の小規模店舗全てにバリアフリーを強制することは、建物の空間的な制約や改修費用の助成制度などの問題により、現状ではなかなか困難であると考えられます。
四段階推定法の使い方がいまいちまだ分かりません。(課題で一度出た気がするのですが。) 基本的に都市圏レベルで中長期の交通需要予測を行うために使用します。各段階のモデルの入力変数は非常に限定されているのが現状です。
モデルの具体的な使用例を見てみたいです。 授業ではあまり事例を紹介できませんでしたが、四段階推定法は、ここ数十年、ほぼ全ての都市圏レベルでの中長期の交通需要予測に適用されていますし、非集計モデルも様々な施策の評価に適用されています。
バリアフリーと環境のトレードオフの問題も経済の問題に帰着させられるのか? バリアフリーと環境のトレードオフの問題とは具体的にどのような意味でしょうか?
@ところどころの図に出てくるアルファベットが何を示しているのか。
A4段階推定法において、実際にどのような計算をしているのか。
@申し訳ありません。配布資料中に説明がなかったものもあったかもしれませんが、口頭では説明したと思います。
A例えば、発生・集中、分布、分担までは、Excelなどの表計算ソフトでも十分計算できます。関心があれば、計画系の後期の演習で使用するデータ等をお見せします。
6/21授業分の費用便益分析の当たりの数式がよくわかりません。
今日の内容(高齢化社会)はわかりやすかったです。
具体的にどの数式でしょうか?
SMAPについてもっとくわしく知りたい。 大森のホームページから関連論文をダウンロードできますので、関心があれば読んでみてください。
@ロードプライシングについて境界付近の住民の(車による)活動範囲の限定による不利益というのはないんですか?
A四段階推定法で1つ1つていねいに説明してもらったが、4つが全体としてどうまとまっているかあまり記憶に残らなかった。
@確かに境界付近の住民にとってはこれまで近所で行きやすかった場所に行くのに課金されるため行きにくくなり不利益になる可能性はあります。
A四段階の配分をやって始めて、リンク交通量とリンクのサービスレベルを予測することができます。また、自動車だけの予測をする場合は手段分担を除いて三段階で行う場合もありますし、交通手段別OD表だけ予測すれば十分な場合は配分を行わないということも可能です。
四段階推定法のプロセスに関して、課題に出されたこともあったが、実社会での何らかの変化をどのようにこれにあてはめれば、最適なのかがイマイチ理解出来ませんでした。 これが最適ということは一概に言えません。どのような変化による、どのような影響を予測したいかという、需要予測の目的にも依存するでしょう。
4段階推定法における具体的な交通量計算の手法が理解し難かったように思います。 後期の都市工学演習で実際に計算する課題を出す予定ですので、是非取り組んでみてください。
以前の課題で出た1世帯あたりのトリップ数の多変数関数についての詳細 具体的にどのような点でしょうか?
行政と交通研究者との関連がもっとスムーズになればよいのになと常々思います。 行政も施策を展開する上では学術研究の成果を適宜取り入れていますし、研究者も実務に適用できるような手法の開発にも積極的に努めています。
ロードプライシングで車の交通が改善されるのは分かるが、鉄道等の通勤・通学ラッシュがより悪化するのではないかと思った。 ロンドンの事例では鉄道やバスへの手段転換が起こりましたが、もともと東京ほどの車内混雑はなかったため、それほど悪化したわけではないようです。
数式が多くて、整理できていません。 授業であまり説明していない数式は、それほど重要ではありません。
新交通システムの導入例だけでなく、将来可能になると考えられているものについても教えていただければと思います。
四段階推定法がよくわかりません。 確かに結構複雑な方法ですので、すぐには理解できないかもしれません。
@様々なシナリオが、四段階推定法のどの段階にあたるか、理解しきれなかった。
A計画全体はどのくらい時間がかかるのか。
@基本的に、需要サイド(都市活動システム)の変数は、発生・集中の段階で、供給サイド(交通システム)の変数は、分布、分担、配分の段階で、入力変数として扱います。様々なシナリオを表現する変数を、この2つに分類してみるとわかりやすいと思います。
A計画の内容によって様々ですが、数年〜数十年かかるものもあります。
前回あたりの課題であった4つの分類はよく分かりませんでした。 どの課題でしょうか?
飛行機についても少し知りたいと思いました。 この授業では都市圏の交通計画を扱っていますので、都市間の交通に分類される飛行機については対象としません。申し訳ありません。
トリップの話があったが、国によってどれくらい数値に差があるものなのか?(日本・米・中) 厳密な国際比較を行うのは、統一された調査が実施されていないこともあり困難ですが、国際比較を行っている研究はあります。大雑把に言うと、トリップ数や移動時間はあまり差はありませんが、交通手段分担は大きな差があります。関心があれば関連資料をご紹介します。
バリアフリーとユニバーサルデザインの違いがよくわからない。定義だけを見ると、ユニバーサルデザインの方が制限が少ないように感じる。そうすると、よりよいのは、バリアフリーなのだろうか。では、何故最近、ユニバーサルデザインという言葉が話題になっているのだろう。 「バリアフリー」は、「障害によりもたらされるバリア(障壁)に対処する」との考え方であるのに対して、「ユニバーサルデザイン」は、「あらかじめ、障害の有無、年齢、性別、人種等にかかわらず多様な人々が利用しやすいよう都市や生活環境をデザインする」という考え方です。既存のものでバリアがあるものはバリアをなくしていき、新たに整備するものについては「ユニバーサルデザイン」の考え方に基づいて整備していく、という感じでしょうか。
分配モデルとかの違いがイマイチわからなかった。 配分モデルのことでしょうか?
四段階法が実際にどのくらい役に立つのかがよくわからない。時間とともに変わっていく要素をどうやって実際は組み込んでいるかなど、あまりすっきりしない感じです。 基本的に中長期の、ある将来の一時点の交通需要を予測する手法です。通常、将来の夜間人口や従業人口、土地利用など、需要サイド(都市活動システム)に関する入力変数は、既存の予測結果や他の計画で策定されているものを用います。これら需要サイドの将来シナリオを「背景シナリオ」と呼び、供給サイド(交通システム)の将来シナリオを「政策シナリオ」と呼んだりすることもあります。
四段階推定法について全体的に理解があいまいです。試験までに勉強し直します。 よろしくお願いします。
実態調査を授業でやってみたいです。 どのような実態調査ですか?
わからないところは僕の勉強不足のせいが大きいです。すいません。 どういたしまして。
設計で駅について考えてるのですが、まだまとまりません。 がんばってください。
SMAPを実際の研究にどのように適用し、改善点が見られたのか知りたい。 大森のホームページから関連論文をダウンロードできますので、関心があれば是非読んでみてください。
モビリティとアクセシビリティの違い 簡単に言うと、モビリティは特に目的地を限定せずに個人の移動能力を表現する概念で、本来はポテンシャルを意味するものですが、顕在化した移動(トリップ数、移動距離など)をモビリティの指標と呼ぶことも多いです。アクセシビリティは特定の目的地へのアクセスのしやすさで、2点間の移動コスト(時間、費用など)や一定時間内に到達可能な施設数などの指標で表現されます。しかし、交通は活動の派生需要であり、活動を行うことに対するアクセシビリティを考慮する視点が重要だと考えられます。
未来都市において、歩車分離、歩車共存、どちらの方向性で都市をつくっていくべきか。 安全性の面では歩車分離が望ましいですが、空間の制約等から既成市街地や区画道路では歩車共存が必要です。その都市や地区の特性に依存して、どちらの方向性を目指すかは異なるでしょう。
他の先進国に比べて日本ではバリアフリー化が遅れているようですが、なぜですか。 一つは急速に高齢化が進展したことが理由です。また、戦後から高度経済成長期には国策として公平性よりも国全体としての経済成長が重視されてきたこともあるでしょう。
発生・集中モデル、分布モデルについてよくわからない。 具体的にどのような点ですか?
先週の費用便益分析の際の数式などわからない箇所はところどころありますが、大まかに言って問題ありません。強いて言えば、他学科なので、具体的に授業でやっていることがどのように応用されているのかが分かりにくいです。都市工の人は演習とかでやっているのでしょうが。 申し訳ありません。都市工全体のカリキュラムの中で、本授業の位置づけを考えておりますので、その点は不十分だと思われます。関心があれば、都市計画コースの演習の資料等をお見せします。

何か質問があれば、大森までご連絡下さい。
e-mail: nobuaki@ut.t.u-tokyo.ac.jp

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