エスニック

最終更新日:2011年8月3日

7月20日の松森果林様の特別講義での感想・質問に対してお返事を頂きました。




No. 感想・質問 松森さんからのお返事
1 今まで会ったことのある聴覚障害者の方では、最も健常者に近い振る舞いをされていたのが印象的だった。バリアフリーの重要性は分かったが、やはりどうしても障害者の方の本当に感じていることには想像が及ばないと感じた。 「本当に感じていることには想像が及ばない」おっしゃる通りですし、健常者同士でも同じですよね!
だからこそ、色々な当事者と関わり、直接お話しを聞き、実体験を通していくことが重要なのだと思います。
そんな機会を作ってくださった大森先生に感謝です!
2 今日の授業では、初めて知ったりこれまで気づかなかったこともあったりし、興味深かった。特に事例紹介の東京ディズニーランドや羽田空港は、今度行った時注意して見てみようと思った。手話通訳も、震災報道などで目にすることも多くなり、手話が日本語をどのように訳しているのか知りたいと思い興味を持った。 百聞は一見に如かず!ぜひ、夏休みを利用して遊びがてら行ってみてください。手話については私の著書「誰でも手話リンガル」も参考にしてくださいね。大森先生、図書館や研究室に学生貸し出し用として購入しておいてください!
3 おじいさんおばあさんなど手話が使えない方がコミュニケーションをする上で障害にならないようにするにはどんな対策があるのか、貴重な話が聞けました。生活する上で細かい所にも工夫があり、またそれを実現するために多大な努力がなされているのだと感じた。 「当たり前が当たり前に」というのが、一番時間がかかり難しいことだったりするのですね。
関心を持っていただけて嬉しいです!
4 ディズニーランドや羽田空港の進んだバリアフリーのお話を聞いて、色々な人が使う公共交通機関や施設では、今後はバリアフリーへの配慮がスタンダードになっていくのだなと強く印象に残りました。ありがとうございました。 特に羽田空港のUD事例は、今後の公共施設の世界的なモデルになるともいわれています。「配慮」が「スタンダード」に。こうなっていくといいなぁ。
5 デザインをする上で、音声の情報に頼りがちな自分達には気づきにくい貴重な意見をありがとうございました。夏に羽田空港に行く機会があるので注目してみたいです。 音声に頼らず生活をするということは、どういうことなのか。少しでも考えていただけるきっかけとなったのであれば嬉しいです!
羽田空港新国際ターミナルのインフォメーションカウンターでは「UDガイド」という冊子もあるので見てくださいね!
6 非常時こそ、多様な人々への配慮が重要であると痛感した。 東日本大震災をきっかけに、まさに「非常時こそ」というのを誰もが強く意識するようになりましたね。復興の際、多様な人々への配慮をしっかり盛り込んでほしいと思います。
7 耳が聞こえないのに手話が使えない人は、コミュニケーションがとれないのは大変だと思う。筆談ができない場合もあるだろうし、想像できない恐怖があると思う。音声情報に頼りすぎない社会を形成していく必要があるのだとわかった。 「恐怖」というよりは「孤独」感のほうが強いかもしれませんね。周囲とのコミュニケーションが断たれていくというのは、本当にさびしいことです。誰もがそんな寂しさを感じることのない社会になるといいなと思います。理想論ですが。
8 興味深く聞けました。 ありがとうございます!!!
9 講義の内容とは関係ありませんが、松森さんの仕草がとても美しくて、見ていて目を奪われました。
今まで耳が聞こえない方のお話を聞いたことがなくて、「大変だろうな」と思っていましたが、心でわかっていなかった節がありました。今回のお話を聞けて本当によかったです。被災地でも耳が聞こえない方がたくさん避難所生活を送っていらっしゃると思いますが、そのような方がしっかり生活できているのか心配になりました。
目を奪われましたか。笑
手話とは、視覚的な言語、そういう魅力があるので是非興味を持ってほしいなと思います!
こうした講義をきっかけに、自分とは違った他者に目を向けたり思いをはせることができるようになるのは、私にとっても嬉しいことです。
その気持ちを、何らかの行動に移していくことができたら、もっと最高ですよね!
10 ICTを活用できるような場所では、交通システムと一体化して、障害者・健常者にかかわらず情報伝達や情報共有を容易にするようなしくみが必要だと感じた。 誰もがICTの恩恵を受けられるような、システム作りから考えていく必要があるということですよね!そして、非常事態こそ威力を発揮するシステムであってほしいと思います
11 実際に体験してみないとわからないことがたくさんあると思いました。特に、掃除機のコンセントがぬけているのに気づかないといった事例で、いかに普段聴力に頼っているか実感しました。実際に聞こえない方が意見を発信していくのは重要なことだと思います。 逆に、テレビのリモコンを子どもがいじって、最大音量になっていても気づかずに一日過ごし、苦情がきたということもあります(^^;)
こうした話は、当事者から聞いて初めて気づくものですね。
だから、机上の空論だけでなく、本人に聞くということが大切なんだと思います。
12 手話を習得するのに時間はどれくらいかかったのでしょうか? あと手話はパターンが多様だということを聞いたことがあるのですが、全部のパターンを知っていなければいけないのでしょうか? 私は、周囲の聴覚障害者とコミュニケーションをするうえで、手話を習得する必要があったので、日常会話程度は一カ月くらいで覚えました。でも、普通の人であれば、半年くらい手話を使う環境にいれば会話ができてくるものです。
パターンというよりも、文法などがありますが、最初は難しいことは考えず単語や指文字を覚えていけば、会話ができるようになりますよ。(英会話もそうですよね!)
13 お話とても面白かったです。字幕があるのに手話もあるテレビ番組は、前からなぜかわからなかったのでスッキリしました。笑顔で楽しそうに話されているのがすごく印象に残りました。ありがとうございました。 ありがとうございます!字幕も手話も音声も揃っていれば、視聴者が自分に合った方法を選べる。これがユニバーサルデザインです。また、字幕は聞こえる人にとっても、電車の中でワンセグを見る時や、公共の場で音を出せないときなど便利ですよね!なんにせよ楽しむことが一番、笑顔が一番。笑
14 今回の授業には普段の生活の中では得られない視点が多くあり、とてもためになりました。将来都市の設計をする立場になったら「聞こえない」立場の人も考えたバリアフリーを取り入れてみようと思います。 都市設計に関わるお仕事、とても面白いと思います。「聞こえない」「見えない」他にも、車いす利用者、子どもからお年寄りまで、多様な人々をことを考えることができる設計者になってください♪
15 聴力があるのが当然のように思っていたので、色々とありがたいお話を伺うことができました。日常の生活の中に困難を新たに創出しないという意志を持ちました。 日常生活を便利にするために加えられた機能が、逆に障害のある人にっては新たな困難を生み出すものだったりします。
掃除機や換気扇などと同様、電気自動車も静かさを求めた結果、視覚障害者にとっては自動車の接近が音で感知できず、新たに音を追加しなくてはならなくなったり、という本末転倒な開発も多くあります。
そういうことを経験しながら、少なくしていかなくてはなりませんね!
16 日常で聴覚障害者と接したことがなかったので、実際の意見や考え方を知ることができてよかった。 今後、もっともっと多くの当事者と関わってみてください。人の数だけ世界が広がると思いますし、それがきっと将来に繋がると思います!
17 普段気にしていないところで様々なことが行われていることを知った。バリアフリーな社会が自分の知らないところで進んでいるのだと思った。 普段とは違った視点で見てくと、新たな気づきが多くあると思います。障害のある人と、一日街を歩くだけでも全然違いますよー!
18 CMにも字幕をという話は新鮮でした。きっと音が聞こえるときとは違った面白さになると思うので、どちらでも面白さの伝わるCMというのは難しそうですが、面白い課題だと思います。 だからこそ、それにトライしようとしている企業はすごいと思います!8月8日、某メーカーから発表されるので楽しみにしていください!私のブログでもお知らせします♪
19 交通機関の中にも色々とバリアフリーに配慮した設備が登場しているが、実際に目や耳などが不自由な人が移動するには、まだまだ不便な点もあるということが分かった。誰でも一人で気軽にどこへでも移動できるようになったらいいと思った。 本当にその通りです。耳が聞こえない人の場合は、移動のバリアはありませんが、情報のバリアが多くありますね!
20 松森さんにお話を伺うまで気づかなかった事にたくさん気づかせて頂き、非常にためになりました。今後も様々な人の視線で物事を見る姿勢を大切にしたいです。
車等の音が聞こえないと歩いていて怖いことも多いと思うのですが、それについてはどういった工夫をすると良いですか?
後ろからくる車や自転車の音が聞こえず、姫状態で歩いていたことがあります。車がすれすれで通り過ぎてヒヤッとすることも。常に道の端を歩いたり、周囲を見たり、自分の身は自分で守る!が鉄則です。
道路が車専用、自転車専用、歩行者専用と分けられていると安心です。
21 聴覚障害についてはあまり知らなかったので、とても興味深かったです。震災の時、情報とコミュニケーションから遮断されてしまうというのは考えるだけで恐ろしかったです。ただ耳が聞こえないことにもメリットがあるというのはとても新鮮で印象的でした。 聞こえる世界、聞こえない世界、それぞれ違った素晴らしさや魅力があります。ただ、今の社会は聞こえる人が中心の社会なので、マイノリティを排除してしまうこともあります。逆に、聞こえない人が沢山いる中に、聞こえる人が入ると、同様のことが起きます。それぞれの違いを認め合い、共生できる社会になるといいなぁ。
22 私は現在、ラジオ局に勤めており、「音」や「話すこと」についてよく考えることがあります。それは、自分は聞こえることを前提に考えていますが、そうでない人たちのことも考えなくてはならないなと思いました。日々の暮らしがどれほど「音」に頼っているか考えさせられました。 ラジオに関わっているだけに、強く感じ、考えられるのでしょうね。素敵なお仕事をしていますね。その思いを忘れずにいれば、時には、自分の話が伝わらない人もいる。じゃあどうすれば・・・と思いを馳せることは、きっと仕事をするうえでプラスになっていくと思います!
23 ディズニーランドや空港で使われている目が見えない耳が聞こえない人のためのデザイン、システムが興味深く、デザインに必要な要素を改めるきっかけとなりました。
手話で日常会話をできるようになるにはどれくらいの時間がかかるのでしょうか?
誰もが楽しめるデザイン、そういうのがいろんな場所に増えていくといいなと思います。
手話での日常会話は、12番でも回答しております。ぜひ私の著書、「誰でも手話リンガル」を参考にしてくださいね。
24 ありがとうございました。聴覚障害者とあまり出会ったことがないため貴重な経験になりました。様々な人の立場・視点から物事を考えるのが重要だと思いました。 聴覚障害者といっても、色々ですので、今後は他の聴覚障害者にももっと会ってみてほしいと思います。きっと、目からうろこの世界が沢山ありますよ!
25 非常に貴重なお話を伺えて勉強になりました。バリアにも色々な種類、状況があることが、体験者の視点から知ることができ、なるほどと思った。 同じ障害でも、十人いれば十通りの状態、コミュニケーション方法などがあります。だから色んな人の声に耳を傾けることが大切なのですね!
26 手話を使える人や点字を読める人が多くないことを考えなければいけないと思いました。 そう、コミュニケーション方法は手話や点字だけでなく、色々あるし、情報を伝える方法も無限にあるということなのですね!
27 ディズニーランドやシーで障害者も楽しめるような工夫がいくつもあるというのには、今まで全然気づかなかったし驚いた。ワンセグでも字幕出ますね。 ワンセグの字幕はとっても便利。聞こえる皆さんにとっても音を出せない場所では便利ですよね!
28 すごくためになるお話でした。ディズニーランドに実は先週行ったばかりで、シーのミシカとかも何回も見たことがあるのに全然気づきませんでした!! これからは普段の生活でも気にしてみたいと思います。あとドラマの「オレンジデイズ」で手話とか覚えたりとか、小学校で「大きなのっぽの古時計」を覚えました! 今でもできます☆ オレンジデイズで手話に興味を持った人、多いですね!ドラマや歌を通し、ぜひ、もう一歩手話の世界に踏み込んでみてください。私の著書「誰でも手話リンガル」ではそんな世界を紹介しています!
今度お会いする時は手話でお話しをしましょう!
29 本日はお話ありがとうございました。ディズニーランドにおける様々な配慮等、日頃自分たちの気づかない所でも様々なバリアフリーが行われているという点は聞いていて非常に面白かったです。 気づかないのは、それだけ自然な配慮がなされているということなのでしょうね!こういうのが当たりまえの社会になるといいなと思います。
30 TDLの事例のように身近なところにもバリアフリーの工夫がされていることを知り、他にもどのような工夫がみられるか興味を持ちました。注意して街を歩いてみようと思いました。 そうそう、ちょっと意識するだけで見慣れた光景も歩きなれた街も、違った発見ができるものです!「ちょっと意識する」これが大事なんです。
31 耳の聞こえない方について話はよく耳にしますが、実際にお会いしたことがなく、それゆえにそのような視点からの考えというものが自分の中でふわふわしたものだった。今日、松森さんのお話を聞けて、自分が思っていた以上に、そのような方の世界は広く、そして限られていることを知れた。 ふわふわだたものが、少しはリアルに感じることができたでしょうか?
まだまだ日常生活は「リアル」に満ちています。
ですから、色んな当事者と出会ってお話しを聞いてください。それだけ世界が広がりますよ!
32 聴覚障害の方が積極的に社会に交わっていることが、正直びっくりだった。企業が聴覚障害の方に対する取り組みを行おうとしている事実も意外だった。お金になる・・・のかな? ありがとうございました。ブログ見ます。 障害者対策や福祉はお金にならないと、いいますね。でも、障害者に使いやすいものは一般の人にも使いやすい。これをビジネスチャンスとするかどうか、できるかどうか。です。花王やコクヨ、パナソニックも日立も東芝も、ユニバーサルデザインをうまくビジネスにしています!
33 手話というのはオーラルな会話と同じように、各国で違うものだと伺いましたが世界共通にしようといった動きはないのでしょうか? あるとすればどのような段階にあるのか伺いたいです。 「手話が世界共通だったらいいのに」よく聞きますが、それは音声言語も同じですよね!笑
ただ、国際会議などでは統一された手話「国際手話」というものが使われます。まだまだ一般には普及しておりませんので、国際会議では、「日本語の音声」→「日本の手話」→「国際手話」と、通訳のはしごも多くあります。
34 目覚まし時計が聞こえないと、どうやって起きるのでしょうか?
難聴者の方がとても多いことをはじめて知りました。その立場から社会に働きかけて実現されていることがすごいことだと思いました。
音の代わりに振動で知らせる目覚まし時計があります。
私は、ケータイのアラーム機能を振動にセットして、枕の下に入れて目覚まし代わりにしています!
35 軽度難聴者の数が思っていたよりも多いと感じた。 特にipodやヘッドフォンを使用している若い人は、早くから難聴の傾向があるそうなので、あんまり大音量にしないよう注意してくださいね!
36 ディズニーランドの様々な取り組みが、遊びに行った時気づかなかったものが多かったので驚きました。また内部障害者という言葉も初めて聞きました。もっと認知度をあげるべきだと思いました。 普段から、自分の周りには多様な人がいることを意識して行くと、世界も違ったものになっていきますね!障害のある当事者からも、どんどん発信していかねばと思います。
37 ご家族での生活の中で、いくつか気になる点がありますので、是非お答え頂ければと思います。
・食事中の会話で円滑にするために工夫していることは?
・家族揃う時、だいたい何分くらいかけて食事するか?
・動物園や遊園地で(設備とかではなく家族とのコミュニケーションで)苦労することは?
・食事中も、もちろん手話での会話を楽しみます。手話でのお喋りに夢中になると、食べることを忘れてしまったりしますが!
・家族での食事時間は、普通の皆さんと変わらないと思いますよ。30分の時もあれば、話題が弾んで一時間の時もありますし!
・むしろ、離れていたり、うるさい場所でも手話って会話ができるので便利だと感じることが多くあります。
あとは、暗い場所だと、手話が見えずコミュニケーションができませんし、子どもが迷子になったりすると、迷子のアナウンスが聞こえないので大変なことになったりします。(だから事前に様々な対策を練っておくのですが)
38 緊急地震速報などのように警告をしたり注意を引きつけたりする場合、音が利用されることが多いということに気がつきました。 緊急地震速報は、携帯は振動もするので、聞こえない人にも分かりやすいのですが、テレビの場合は気づかないことが多くあります。
39 現在、都市工学を勉強していますが、今の日本の都市の中で耳が聞こえない方の立場で生活しやすいと感じるところは何かありますか? 新しい施設は情報のバリアフリーも考えられているので、割と使いやすいと感じることが多くあります。
40 耳が聞こえないことで、コミュニケーションの他にも生活に必要な情報を得ることの大変さが印象的でした。手話の習得率が100%ではないことから手話の習得はなかなか大変な印象を受けましたが、手話の他にコミュニケーション手段がないのか気になりました。 授業の中でも紹介しましたが、手話のほかに、読唇、発話、筆談などもあります。口の形をはっきりと話してもらえるだけでも、とても分かりやすくなりますし、最近ではケータイで文字を打ち込んだり、iPadの筆談アプリを使ったり、音声認識ソフトを使うという方法もありますね!
41 活き活きと生活している様子が伝わってきた。自分ももっとしっかりしなくてはと思った。 頑張れ!笑
毎日を楽しく過ごせるかどうかに、障害のあるなしはほとんど関係ないでしょうね。全ては自分次第です!(^^)
42 聞こえない世界のことをあまり考えたことがなかったので、非常に勉強になった。日常生活の話などなるほどと思わせられることが多かった。特に掃除機の話など面白かった。 15番でも回答しておりますが、日常生活の中では色んな落とし穴があるものですよ。笑
43 「この絵の中で何が足りないですか?」という質問の答え「音」に気づかなかったことにこそ、普段何気なく感じている「音」の存在の大切さを感じた。 当たり前すぎて気づかない、見えないことは沢山あると思います。皆さんが一生懸命頭をひねって考えて込んでいる様子も、面白かったです!
44 普段考えることの少ないお話でとても貴重でした。自分はあらゆる住民も不幸にならないまちづくりの方法を目指していきたいので、バリアフリーの視点も非常に重要視していきたいと感じました。 多様な視点を持てることが、みんなが楽しく暮らせるまちづくりに繋がっていくことになります。心から応援しております!!!


さらに何か質問があれば、大森までご連絡下さい。
e-mail: nobuaki@ut.t.u-tokyo.ac.jp

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