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エスニック

最終更新日 2016年4月11日

子育てしやすいまちづくり

エスニック乳幼児・児童を持つ子育て中の親が、外出活動を含めた日常生活活動を行う上で直面するバリアの具体的な内容を整理し、地域社会で多様なライフスタイルを実現するために有効な都市・交通施策を、都市・交通・建築・福祉等幅広い視点から総合的かつ具体的に検討することを目的とした研究を進めています。



※科学研究費 基盤研究(B)「子育て世帯の多様なライフスタイル実現のための都市のバリアと心のバリアの緩和策」:平成28年度〜平成30年度
 本研究は、交通システム、活動機会、世帯の活動スケジュールの制約条件に着目したアクティビティ・アプローチに基づき、子育て世帯が多様なライフスタイルを選択できるために、子育て世帯の日常生活を制限する多様なバリアの中で「都市のバリア」と「心のバリア」を緩和するための具体的な施策の検討、およびそれらの施策が生活の質に与える影響を評価することを目的とする。具体的には、我が国の都市において、「都市のバリア」緩和の効果を、「心のバリア」の緩和によっていかに向上させることが可能かを、複数の心のバリア緩和手法の開発と試行、およびWeb-GISベースの活動交通シミュレーターの開発と適用を通して評価するものである。

科学研究費 基盤研究(B)「子育てしやすい働き方の探求と実現のための施策の立案および評価に関する研究」:平成24年度〜平成26年度
 本研究は、交通システム、活動機会、世帯の活動スケジュールの制約条件に着目したアクティビティ・アプローチに基づき、乳幼児を子育て中の世帯が多様なライフスタイルを選択できるために、いかに柔軟な働き方が可能かどうかを検討することを目的とする。具体的には、少子高齢社会および情報通信技術の普及した現代の都市において「子育てしやすい働き方」とはどのような姿であり、どうすればそれが実現可能かを明らかにするために、Web-GISベースの活動交通シミュレーター(Activity Rescheduler with Interactive Generation of Alternative Travel Opportunities (ARIGATO))を適用し、都市・交通、労働、福祉分野など多様な要素を組み合せた施策を実施した際の、子育て世帯の活動パターンへの影響を評価するものである。

日本交通政策研究会 平成25年度 自主研究プロジェクト「子育て世帯の生活の質向上に資する都市と交通のあり方に関する研究」:
 少子高齢社会に直面している我が国において、子育て世帯の社会参加を支援し、少子化に歯止めをかけるためにも、妊婦、乳幼児・児童を持つ子育て中の親および子どもが、安全・安心・快適に外出活動に参加し、多様なライフスタイルを選択できる環境を整備することが重要である。我が国では、バリアフリー法等の整備により、鉄道駅および駅周辺を中心とした道路や公共交通等の交通システム、公共施設や商業施設等の活動機会のバリアフリー化が進められるとともに、授乳・おむつ替えの設備や子供連れでも利用しやすいトイレ等の整備や情報提供が進められ、一昔前と比較すれば「子ども連れで外出活動に参加しやすい環境」が整ってきた。一方で、保育サービスの不足や、柔軟な勤務形態の導入の遅れなど、「子どもを連れずに(仕事や私事等の)外出活動に参加しやすい環境」については、まだ十分に整備が進んでいるとは言えない。子育て世帯の外出活動を含めた日常生活活動への参加を容易にし、多様なライフスタイルを選択できるためには、「子ども連れで外出活動に参加しやすい環境」と「子どもを連れずに外出活動に参加しやすい環境」の両者を備えた都市構造および交通システムの実現と、国、地方自治体、民間事業者、NPO等、職場、子育て世帯、その他の世帯など、多様な主体が適切に連携および役割分担を行うことが重要であると考えられる。申請者らは、今年度までの研究プロジェクトにおいて、子育て中のバリア、子育て世帯の外出行動、子育てに対する意識、およびそれらの大都市と地方都市による違い等についての理解を深めたが、子育て世帯の多様なライフスタイルを実現し、生活の質を向上させるための都市と交通のあり方、多様な主体間の適切な連携・役割分担、そして子育てに対する人々の理解を醸成するための手法の検討等が、研究課題として残されていると認識している。
 以上の背景から、本研究は、乳幼児・児童を持つ子育て世帯が、地域社会で多様なライフスタイルを選択でき、生活の質を向上させるために有効な都市と交通のあり方を、都市・交通・建築・福祉・教育等、幅広い視点から総合的かつ具体的に検討することを目的とする。今年度までの研究成果を踏まえて、我が国の社会的文化的特性を反映した子育てしやすい都市と交通のあり方の提案に向けた理論的かつ実践的な研究を行う。
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※日本福祉のまちづくり学会 子育ち・子育てまちづくり特別研究委員会

※関連発表論文
・大森宣暁:子育て世帯の子どもの送迎と時空間制約, 交通科学, Vol.46, No.2, pp.19-23, 2016.

・川村竜之介, 谷口綾子, 大森宣暁, 谷口守:公共交通車内における協力行動と規範に関する国際比較, 土木学会論文集D3, Vol.71, No.5, pp.I_511-I_521, 2015.

・Nishimoto, Y., N. Ohmori, T. Akiyama, A. Matsubara, K. Takeshima and F. Touno (2015) Conflicts between Stroller Users and Other Passengers on Public Transportation in Metropolitan Areas, Japan, TRANSED 2015, Lisbon, Portgal, 2015.8.

・有賀敏典, 青野貞康, 大森宣暁:保育園を利用する世帯のスケジュール制約の把握―宇都宮市内の保育園を対象として―, 土木計画学研究・講演集51, CD-ROM, 2015.6.

・Ohmori, N. (2015) Mitigating barriers against accessible cities and transportation, for child-rearing households, IATSS Research, Vol.38, Issue.2, pp.116-124.

・谷口綾子, 大森宣暁:ベビーカー利用者の移動時幸福感の規定因に関する国際比較―周囲の支援は必要?, 土木学会論文集D3, Vol.71, No.1, pp.1-10, 2015.

・大森宣暁:子ども連れ外出に関する「心のバリアフリー」推進の取り組み, 総合交通メールマガジン, 第75号, 2014.12.25.

・大森宣暁:子ども連れ外出教室を通して子育てしやすいまちづくりを考える, 自動車交通研究2014, pp.22-23, 2014.11.

・有賀敏典, 青野貞康, 山本徳洋, 大森宣暁:活動交通シミュレータを用いた子育て共働き世帯の時空間制約分析, 土木計画学研究・講演集50, CD-ROM, 2014.11.

・川村竜之介, 谷口綾子, 大森宣暁, 谷口守:公共交通車内における協力行動と規範に関する国際比較, 土木計画学研究・講演集49, CD-ROM, 2014.6.

・谷口綾子, 大森宣暁:ベビーカー利用者の移動時幸福感の国際比較に関する研究, 土木計画学研究・講演集49, CD-ROM, 2014.6.

・寺内義典, 大森宣暁, 有賀敏典, 青野貞康:通園のしやすさに着目した横浜方式の保育整備の立地評価に関する研究, 土木計画学研究・講演集49, CD-ROM, 2014.6.

・真鍋陸太郎, 大森宣暁:大学生の子育て環境に関する理解の様子と子育て関連施策を提案する演習の意義, 土木計画学研究・講演集49, CD-ROM, 2014.6.

・Ohmori, N., A. Taniguchi, R. Manabe, Y. Terauchi, S. Aono (2014) How Different Are Barriers against Out-of-Home Activity Participation for Women Raising Children, the 5th International Conference on Women's Issues in Transportation, Paris, France, 2014.4.

・Taniguchi, A. and N. Ohmori (2014) Child Pick-Up from Day-Care Center Following a Dissaster: Working Mothers' Attitude and Behavior in Tokyo at the Great East Japan Earthquake, the 5th International Conference on Women's Issues in Transportation, Paris, France, 2014.4.

・Ishigami, T., N. Izumi, S. Hirata, N. Ohmori and A. Taniguchi (2014) Travel Behavior of Working Mothers in Tokyo Metropolitan Area, Particularly Addressing Those with Small Children and Their Residential Areas, the 5th International Conference on Women's Issues in Transportation, Paris, France, 2014.4.

・大森宣暁:子育てしやすい交通と福祉のまちづくり, 交通工学, Vol.49, No.1, pp.20-23, 2014.1.

・大森宣暁:子育て世帯の多様なライフスタイルを実現する都市と交通のあり方, 都市計画, Vol.62, No.5, pp.28-32, 2013.10.

・山崎晋, 長谷川万由美, 八藤後猛, 大森宣暁, 植田瑞昌:子育て期の交通バリアフリーに関わる人材育成・普及啓発に関する研究〜「子育ち・子育てバリアフリー教室」テキスト作成の試み, 日本福祉のまちづくり学会 第16回全国大会概要集, 2013.8.

・大森宣暁, 谷口綾子, 真鍋陸太郎, 寺内義典, 青野貞康:子育て中の女性の外出行動とバリアに対する意識に関する研究-首都圏在住の乳幼児を持つ母親を対象として-, 都市計画論文集, Vol.46, No.3, pp.259-264, 2011.

・大森宣暁:交通分野における子育て関連研究, 福祉のまちづくり研究, Vol.14, No.2, pp.23-28, 2012.7.

・谷口綾子, 大森宣暁:東日本大震災における首都圏子育て世帯の帰宅困難状況に関する研究, 土木計画学研究・講演集45, CD-ROM, 2012.6.

・大森宣暁:すぐに迎えに行くからね!:緊急避難時の子どもの送迎, 運輸政策研究Vol.15, No.1, pp.31-32, 2012.4.

・谷口綾子, 奥山有紀, 真鍋陸太郎, 大森宣暁, 寺内義典:欧州諸国の子育て支援策に関する基礎的研究〜子育て政策とバリアフリー政策に着目して〜, 土木計画学研究・講演集44, CD-ROM, 2011.11.

・大森宣暁, 谷口綾子, 真鍋陸太郎, 寺内義典:子育て中の母親の外出行動とバリアに対する意識, 土木計画学研究・講演集43, CD-ROM, 2011.5.

・真鍋陸太郎, 大森宣暁:建築・都市系学部学生の子育て環境の捉え方―都市工学演習を対象としての分析―, 土木計画学研究・講演集43, CD-ROM, 2011.5.

・鈴木圭一, 沼尻恵子, 芝崎良美, 大森宣暁, 長谷川万由美, 八藤後猛:安心して子育てができる環境整備のあり方に関する調査研究(その1)−乳幼児連れの移動や施設利用に資する施設・整備に関する実態把握などを通じて−, 日本福祉のまちづくり学会全国大会概要集, 2010.8.

・沼尻恵子, 鈴木圭一, 芝崎良美, 大森宣暁, 長谷川万由美, 八藤後猛:安心して子育てができる環境整備のあり方に関する調査研究(その2)−乳幼児連れに対するヒアリングや整備事例調査を通じて, 日本福祉のまちづくり学会全国大会概要集, 2010.8.

・橋本まり, 大森宣暁, 高見淳史, 原田昇:保育所送迎の実態と事業所内保育所のあり方に関する研究, 土木計画学研究・講演集41, CD-ROM, 2010.6.

・寺内義典, 大森宣暁, 谷口綾子, 真鍋陸太郎:居住地周辺の子育て環境についての意識と居住地選択, 土木計画学研究・講演集41, CD-ROM, 2010.6.

・谷口綾子, 柳田穣, 大森宣暁, 真鍋陸太郎, 寺内義典:乳幼児運搬用具の利用実態に関する一考察, 土木計画学研究・講演集40, CD-ROM, 2009.11.

・大森宣暁:子育て中の外出活動とバリアフリー, 日本福祉のまちづくり学会全国大会概要集, pp.105-108, 2009.

・大森宣暁, 谷口綾子, 真鍋陸太郎, 寺内義典:子育て中の母親の外出活動とバリア, 土木計画学研究・講演集39, CD-ROM, 2009.


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