エスニック

最終更新日:2010年7月15日

6月16日の中澤信様と松森果林様への質問と回答です。



学生さんからの感想・質問 中澤さんからの回答・コメント 松森さんからの回答・コメント
機械工学でバリアフリーデザインの講義を受けているのですが、市場の問題から研究としては成立してもビジネスとしてはなかなか成り立たないと聞きます。どのように解決していけばよいでしょうか? バリアフリーを特別な人に対する特別な取り組みと考えている限り、マーケットは見えてこないと思います。ユニバーサルデザインの様な、多様な人々のニーズを捕らえ解決方法を見いだしていくことで、ビジネスになっていくと思います。
障害の方を扱った映画が色々ありますが(陽のあたる教室等)障害を持っている方からの視点でオススメのがあったら教えて下さい。 正直に申しあげて、当事者としては映画にしてもらい見てもらうよりも、普段の生活の中で、出来る限り実際に接する機会を持てるようにして頂く事が必要だと思います。ということで、映画にはオススメはありません。 基本的には中澤さんと同意見ですが、娯楽としての映画を楽しむならば、最近では「アイ・コンタクト」です。ろう者女子サッカーチームでは、審判や監督、メンバー間が「大声を出しても伝わらない。」聞こえないメンバーが日本代表チームとしてデフリンピック出場するまでのドキュメンタリー映画。9月18日からポレポレ東中野にてロードショー!
民間企業のコンサルなどの仕事をされていますが、民間企業のバリアフリーに対する姿勢を教えて欲しい。 民間企業でバリアフリー、ユニバーサルデザインを取り入れて行くには、社会貢献というより、ビジネスと共に進めていくと言う考えを持った企業が積極的に取り組んでいますし、成功しています。私の著書「バリアフリーは儲かる!」に取り上げられている企業もそうですが、ユニクロなども良い事例だと思います。 企画の段階から、車椅子の方、視覚障害者、ロービジョン、聴覚障害者、外国人、高齢者等、さまざまな立場の当事者が参加することが増えてきました。これはとても大事なことだと考えます。
障害者の方から直接お話を聞くことができて、面白かったです。東大のバリアフリー支援室で、聴覚障害者のためにノートテイカーとして活動したことがありますが、その子が眠い時(学生はよく授業中眠りますが)ノートテイカーの私がいると、逆に申し訳なくさせてしまったりして、いろいろ難しいなあと実感したことがあります。障害を持っているというのは特別ではなくて、障害があっても普通の人(学生)なんだなというのは、分かっていても目の当たりにするとびっくり(?)してしまって、まだまだだなあと思います。。。 そうそうそう。障害者=聖人君子ではなくて。
障害者だって酒は飲むし、女遊びもするし、ギャンブルもすれば、居眠りもする。人間としてはなんら変わりありません。
共に行動し、実体験して気付けることはとても貴重ですね。
設計の演習をやっていると、つい難しい(複雑な)ことをしたがる。でも、「みんなが住みやすい」プランになっているかを考えると、どんどん逆行しているのである。もっと手を動かし、頭を動かし、色んな人とコミュニケーションをとって、設計にシンプルに反映させていきたいと思った。 机上の空論からは、せいぜい机の広さのものしかできません。どんどん動いてコミュニケーションをとってください!それがきっと豊かな設計人生にもつながります。
もっている障害やおかれている環境によって、同じことに対しても様々な考え方があるということに気付きました(例えば、電光掲示板の文字の流れ方について)。
質問ですが、就職やその後の労働に関して、やはり障害を持った方は持っていない方よりかなり困難なのでしょうか?それとも企業においてもサポートは進んでいるのでしょうか?
現在の日本では、就職、就労ともに、ハード、ソフトそしてハート面でも、先進国の中では大変に遅れています。それでも最近は、法律の整備も少しずつ進んできたこともあり、改善しつつ有ります。ただし、日本の場合、教育を受ける環境のバリアが一番の問題です。大学に進学できるような障害者がまだまだ少ないのが現状です。 全く同意見です!聴覚障害者にいたっては、大学進学や就職ができたとしても、そのあとのコミュニケーション、情報取得方法など、次から次へとバリアが立ちはだかります。
身体障害者の方の話を聞くのは、ほとんど初めてだったので、新鮮な感覚があった。特に、ユニバーサルデザイン(URの話)などに注目する事はあまりなかった事だった。しかし一方で、話を聞く前と聞いた後で変わらなかったのは「スポーツを完璧に楽しむ事ができない」というのが最も辛い事なのではないだろうかという事。 最近、ユニバーサルスポーツという分野の研究も進められていますよ。ネットで調べてみてください。


さらに何か質問があれば、大森までご連絡下さい。
e-mail: nobuaki@ut.t.u-tokyo.ac.jp

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