エスニック

最終更新日:2011年8月2日

7月13日の「今日の課題」での今日の講義への感想、これまでの講義への質問と回答です。



感想、質問 回答
交通バリアフリーと一口に言っても全てのバリアを取り除くには膨大な時間とコストがかかるので、どう折り合いをつけるのかとても難しい気がした。ある程度の「犠牲者」は伴わざるを得ないのではないかと思う。
最近は特に交通施設におけるバリアフリー化が進んでいるように感じるが、それでもまだ十分でないところはたくさんあると思う。一方で駅や電車内のアナウンスを過剰に感じたり、点字ブロックが美観を高めているとは感じないこともある。あらゆる人にとって快適なデザインをつくることは難しいことだが必要であると思う。
自分の祖父が車いす生活を2年程してた時、バリアフリーに関する話を聞きました。慣れてないこともあり、1人ではとても出かけられないと言ってたのが印象的です。邪魔な自転車が多くて怖いとも言ってました。それを思い出しました。
コミュニティバスの具体的な利用場所とその目的とは?
コミュニティバスがあることでどれほどの効果があるのか?
コミュニティバスは、一般の路線バスでは採算が取れないために民間事業者が運行しないような路線に対して、行政(地方自治体)が主体となって路線や時刻表などを計画し、運営費を負担し、運行を民間事業者などに委託しているバスです。そのため、一般的に、幅員の狭い道路を小型・中型のバスで運行することが多く、運行本数は少ないですがバス停間隔が短いため、主に高齢者にとっては便利な交通手段となります。しかし、利用者数も少ないため、運賃収入は少なく、運営費用の30〜70%が自治体の負担となるのが一般的です。
都内で駅・プラットフォームのエレベータ設置率はどれくらいなのでしょうか? 国土交通省の資料によると、平成21年度末時点で、全国9,484駅中2,598駅でエレベーターが設置されているとのことです(東京都内はわかりません)。ちなみに、全国9,484駅中4,613駅で、東京都内755駅中621駅で、「段差が解消されている(乗降場ごとに、高齢者、障害者等の円滑な通行に適する経路を1以上確保している)」とのことです。国土交通省のページ(http://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_fr7_000003.html)もご覧下さい。
交通システムにおいて重要なものの1つにバリアがあるんだなと思いました。自分が設計する側になった時、単に交通網の事を考えるだけでなく、多方面から将来的にも持続可能な道路をつくらないとなと思いました。仙台楽しみです。
何故点字ブロックがあの色なのかは疑問であった。あまりに目立ちすぎ、目の見える人もまるでそこを通ってくれと言われている気分になる。しかし、それが弱視の人のためと聞いて納得した。
調布で挙げた事は、どの都市にもあるものであり、車イスなどでの利用は以前よりはしやすくなってはいるが、現状では車での移動の方が便利に感じられると思う。道路整備等が進むことを望む。
バリアフリーは重要だが、バスのノンステップ化によって座席が減少してしまうように、様々な施策がお互いぶつかってしまうこともあるので、それらの整合性を保つことが難しいと思った。
バリアフリーのための設備が設置されている意図を市民がしっかり認識しなければならないと感じました。 その通りです。人々が設備の意味を理解してしないと、必要な人が使えない状況を作ってしまうことがあります。
全盲の人がどのような世界を生きているのか想像もできない。白い杖をついている人で、目が見えていそうな人を街中で見かけたことがあるが、彼らは多少見えているというのが意外だった。
ノンステップバスは本当に走っているのかと思う。
バリアフリーが自然な景観、配置の中にくみこまれてくると更に良いのではないかと思う。どれでも付加的な印象をいつも受けてしまいます。
新幹線の終電が10時なのはお仕事されてると辛いだろうなと思いました。
結局白タクで帰ったらいくらだったんですか?
7,000円くらいだったと記憶しています。
(あまり講義とは関係ないかもしれませんが)交通バリアフリー法ガイドラインで、意外に細かく寸法などが指定されていたことに驚いた。都会の鉄道会社ではできるのだろうが、地方では資金難が多いと思うので、そういう補助を増やしてもいいと思う。
オンデマンドバスの仕組みがよくわかりませんでした。降りたい停留場は、運転手に告げれば良いけれど、自分がいる停留場に来てもらうにはどうしたら良いのでしょうか? 説明不足で申し訳ありません。様々なシステムがありますが、利用者は、インターネットや電話で希望する出発・到着地、希望時刻等を予約し、バス事業者はそれに基づいてバスの経路・時刻のスケジューリングを行うものです。停留場のボタンを押すと来てくれるシステムもあります。
高齢者や視覚障害者の方のための配慮は、普段何気なく利用している駅や道路、公共施設にもなされていることがわかった。普段の生活で、そのようなものに意識的になり気づくことが大切だと思った。
高齢者&障害者が街の中で安全に歩くための施策は他の人も歩きやすいものになっているのか?(例えば点字ブロックは、高齢者には障壁であるのでダメだと思う。) 確かに、点字ブロック上を車いすやベビーカーで通ると、かなりの振動を受けます。その他、講義でも触れましたが、歩道と車道の段差(車いす利用者には0cmが良いが視覚障害者には段差など目印がある方が良い)など、全ての人にとって最適なデザインは難しいかもしれませんが、全ての人が利用できるようにハードの整備だけではなくソフト面も含めた施策を行うことが重要です。
バリアフリー体験してみたかったです。 どうもすみません。機会があればお声掛けします。
質問:特にありません。
感想:今設計中の集合住宅にもバリアフリーを取り入れてみようかと思いました。
是非、取り入れて下さい!
高齢化のなかで、どのように交通システムを整備していくかは重要であり、さまざまな方法がとられていることがわかった。そのためには公共交通の整備などハード面はもちろんのこと、人々の考え方を変えていく必要を感じた。 その通りです。心のバリアフリーが益々重要になっています。
授業中に回してた冊子が色々詳しく載っていておもしろそうだった。
高齢者の電動三輪車はもう少しおしゃれになると思います。バリアフリー全体的に機能だけを満たしてるものが多い印象です。デザインなどの面でもっと発展できそうだと思う。
貴重なご意見ありがとうございます! 確かにデザインをもっとかっこよくしたら、もっと普及する可能性はありますね!
物理的なバリアフリーはかなり注目されているが、心理的なものも問題なので、そこが難しいところだと思いました。
点字が分かる人が目の見えない方でも1割程度しかいないという事に驚きました。一文字一文字読み取るのが大変なのかなと感じました。私たちが標識等で目で見てすぐに判断できるように、音等で工夫できたらと思います。
規制緩和によって地方のバスが走らなくなったり、モビリティ格差が広がっていることを感じた。採算を取ることが難しいとは思うので、補助金を出して政府主導で解決したりする必要があると思った。
バリアフリーについての施策が色々行われているが、それ以上に周りの人のあたたかいマナーなども重要なのではないかと思う。2つが存在してはじめて意味が生まれると思う。
シミュレーションのモデルについて、いまいちよく分からなかったので、四段階やロジット等で具体例を紹介して欲しいです。 具体例を十分に紹介できずに申し訳ありません。都市計画コースの冬学期の「広域計画」および「都市基本計画」の演習では、実際の都市圏を対象にデータとソフトウェアを用いて四段階推定法を行う課題が用意される予定ですし、「都市工学数理演習U」で実際にデータとソフトウェアを用いてロジットモデルの推定も行いますので、そこで理解がより深まるのではないかと期待しています。また、四段階推定法の各段階のモデルの数式を全て覚える必要はありませんので、考え方を理解して欲しいと思います。ただ、ロジットモデルの式、例えば選択肢が2つの場合には、P1=eV1/(eV1+eV2)、P2=1-P1、V1=θ1X11+θ2X12+…、V2=θ1X21+θ2X22+…、θはパラメータ、Xは交通サービスレベル(所要時間や費用など)や個人属性などの説明変数、くらいは覚えて下さい。
中学生くらいのときにバリアフリーについて調べたことがあるが、そのときは横断歩道上のバリアフリーはあまり見られなかったように思う。(記憶が曖昧だが・・・)、今なら昔よりも多角的にバリアフリーについて考えられる気がする。 エスコートゾーンは5〜6年前から普及してきました。視覚障害者が歩道ではなく横断歩道であることを認識できるように、また自動車の走行によりブロックが摩耗しても長持ちするようになどの理由で、視覚障害者誘導ブロックとは異なる形になっています。警察庁が設置指針を定めています(www.npa.go.jp/pdc/notification/koutuu/kisei/kisei20070525.pdf)。
高齢者や障害者の方でも快適に暮らしが送れる工夫・機能などを実際の事例を見ることを通して学ぶことができた。子育て中(特にベビーカーを押している人)も同じようにスロープなどを必要としていることを認識できた。
バリアフリーは、設計者にとって難題になるのだなということがわかりました。それは良いデザインとバリアフリーの両立がなかなか難しいからです。最近ではバリアフリーを考えるようになっているので、これから良いデザインのバリアフリーが生まれることに期待したいです。
日本では高齢化が進んでいるのに、まだまだ高齢者・障害者に配慮したまちづくりができているところは少ない。 ハード面では、世界で最も整備が進んでいると言えると思いますが、ソフト面はまだまだ足りないと思います。
昨年まで技術と倫理でやっていたやつも楽しそうだったが、仙台に行くのが楽しみです。
確かに日本ではベビーカーを押して外出している人が少ないと思いました。私はスペインに住んでいたことがあるのですが、スペインは道幅が広かったり、歩道と車道の段差が大きかった気がします。日本ももっと子育てしやすい環境ならいいと思います。
交通手段別の移動の負担感について、”負担”をどのようなモデルで表して数値を算出しているのですか? 講義で紹介した論文では、例えば「「鉄道に立って10分乗車」と「鉄道に座って10分乗車」とどちらが好ましいですか?」というような質問を行い、「座って○分」の数値を徐々に大きくしていき、「立って10分」と「座って○分」が同じになる○の値を求めるために、「立って10分」を方を好む人が調査サンプルの50%になる時の数値(50%タイル値)を求めています。その他にも、交通手段選択モデルを推定して、立席乗車時間と着席乗車時間のパラメータの大きさの比から求めるという方法もあります。
バリアフリー交通の様々な形についてはよく分かりましたが、今はまだ普及しきっていないというのが現状だと思います。その原因の一つに対策へのコストというものが挙げられると思いますが、バリアフリー交通のコストの問題というのはどうなっているのでしょうか?(費用、補助金、その他制度etc.) バリアフリー整備のコストは、国の補助金等を活用することはできますが、基本的には事業者(道路なら道路管理者、公共交通なら公共交通事業者、建築物なら建築物の管理者など)が負担していますので、常にコストの問題があります。また、バリアフリー整備では、これまで基本的に費用便益分析などは行っておりません。バリアフリー新法の補助金関係については、国土交通省のホームページ(http://www.mlit.go.jp/barrierfree/transport-bf/explanation/explanation.html)も参考にして下さい。
バリアフリーって大切ですよね。
今までのプリントを持っていないので質問しにくいです。ただ今日の内容はわかりやすかった。交通バリアフリー教室、やりたかったです。 なぜプリントを持っていないのですか? 取りに来るか友達にコピーさせてもらって下さい!
交通バリアフリー教室をやる機会があればお声掛けしますね。
老いるショックはネタかと思いました(笑) ネタと言えばネタです。
視覚障害者の中で全盲の人が少なく、さらに点字を読める人が少ないというのは驚きでした。全盲の人は一人で街を歩けるのでしょうか? 電車内に盲導犬が乗っているのを見たことがありませんが、点字や視覚障害者誘導ブロックである程度の生活ができているのでしょうか? 全盲の人は介助者と一緒に外出する人の方が多く、日常的に利用している経路以外は、なかなか一人で外出するのは難しいと思います。関連して、最近、鉄道駅プラットフォームへのホームゲートorホームドアの設置が徐々に進められているように、視覚障害者のためのバリアフリー整備も重視されています。ちなみに視覚障害者の間では、「駅プラットフォームから一度は落ちないと一人前の視覚障害者とは言えない!」と言われるほど、落ちた経験がある人は多いようです。
バリアフリーについていろいろ考えられているなと感じたが、幅員が狭くて横断勾配が急な歩道など、改善すべき場所は身近な場所にもいくつか思いついた。
過疎化が進行していてコミュニティバスを入れるのも現実的でない場合、高齢者の運転はとても難しい問題だと思います。先生はどうお考えでしょうか? 一般的には、定時定路線の(コミュニティ)バスを入れると需要が少なくて効率が悪い場合は、デマンド型交通の方が効率が良いことになります。また、講義でも紹介しました様に、ハンドル型電動車いす(セニアカーなどと呼ばれる)が普及していますし、高齢者でもさらに運転しやすい(小型の)車(パーソナルヴィークルなど)の開発も進められています。また、自分が移動しなくても通信販売やネットショッピング、移動販売(例えば魚屋、焼き芋屋など)などの利用も有効だと思います。今大変ホットな研究テーマです。
重力モデルや数式で表すモデルetc.などが、未だにピンと来ないのですが、感覚的に理解するコツはありませんか? 基本的には、発生・集中モデルはトリップ目的別発生・集中量に関連する人口(年齢階級別夜間人口、産業別従業人口など)が多ければ発生・集中量が多い、分布、分担、配分モデルは、一つ前の段階の量が多いほど、また交通サービスレベルが良い程、量が多いという関係です。対象地域全体で生成するトリップを、交通手段別のOD表、さらには道路および公共交通ネットワークのリンクへ割り当てていく作業です。
図やグラフの部分の字が薄かったり小さかったりして読みにくいです。 申し訳ありません。まあ、図やグラフの細かな数値はそれほど重要ではないと考えて下さい。
交通システムのモデルの国際的な違いについて知ってみたいです。 基本的には、世界中でほぼ同じであり、日本も米国から輸入したのです。細かい点では、四段階推定法では、欧米は世帯単位なのに対して日本は個人単位、欧米では帰宅トリップという定義ではなくホームベースかノンホームベースかという定義を使用する、などの違いがあります。講義でも少し触れましたが、四段階推定法とGISが統合したソフトウェアも普及しています(TransCADが最も有名です)。
解析や最適化についての手法の紹介が多かったので、是非それを例題などを用いて実際に使い習得したいと思いました。 具体例を十分に紹介できずに申し訳ありません。都市計画コースの冬学期の「広域計画」および「都市基本計画」の演習では、実際の都市圏を対象にデータとソフトウェアを用いて四段階推定法を行う課題が用意される予定ですし、「都市工学数理演習U」で実際にデータとソフトウェアを用いてロジットモデルの推定も行いますので、そこで理解がより深まるのではないかと期待しています。
バリアフリーの計画について初めてまともに考えた。写真とかもたくさんあって良かったです。
身近な問題について触れられていて非常に興味深かった。シティーバスの話など特に身近だった。ムーバスなど。質問はないです。
四段階推定法の初学者(文系)向けの参考書を教えていただきたいです。 やはり新谷先生編の都市交通計画でしょう。

※参考:
2010年度のQ&A
2009年度のQ&A
2008年度のQ&A
2007年度のQ&A
2006年度のQ&A

さらに何か質問があれば、大森までご連絡下さい。
e-mail: nobuaki@ut.t.u-tokyo.ac.jp

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