土木学会土木計画学研究委員会

「子育てしやすく子どもにやさしいまちづくり研究小委員会」

旧:少子高齢社会における子育てしやすいまちづくり研究小委員会


 

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設立趣旨


 
人口減少、少子高齢社会に直面している我が国において、子育て世帯の社会参加を支援し、少子化に歯止めをかけるためにも、乳幼児・児童を持つ子育て中の親、そして子どもが、安全・安心・快適に外出活動に参加し、多様なライフスタイルを選択できる、子育てしやすい都市・交通環境を整備することが急務である。 我が国では、バリアフリー法等の整備により、鉄道駅および駅周辺を中心とした道路や公共交通等の交通システム、公共施設や商業施設等の活動機会のバリアフリー化が進められるとともに、授乳・おむつ替えの設備や子ども連れでも利用しやすいトイレ等の整備や情報提供が進められ、一昔前と比較すれば「子ども連れで外出しやすい環境」が整ってきた。しかし、公共交通利用時などにベビーカー利用者と周囲の人々との間にコンフリクトが生じるなど、子育てに対する人々の理解の醸成が求められている。一方で、保育サービスの不足や、柔軟な勤務形態の導入の遅れなど、「子どもを連れずに外出しやすい環境」についても、まだ十分に整備が進んでいるとは言えない。子育て世帯の外出活動を含めた日常生活活動への参加を容易にし、多様なライフスタイルを選択できるためには、「子ども連れで外出しやすい環境」と「子どもを連れずに外出しやすい環境」、そして「子どもが安全・安心に外出できる環境」を備えた都市・交通環境の実現と、国、地方自治体、民間事業者、NPO等、職場、子育て世帯、その他の世帯など、多様な主体が適切に連携および役割分担を行うことが重要であると考えられる(図1)。     

                  


図1 子育て世帯の日常生活を制約するバリアの整理(大森(2013))

研究内容


 以上の背景から、本小委員会は、我が国の社会的文化的背景を考慮して、乳幼児・児童を持つ子育て中の親、そして子どもが、地域社会で多様なライフスタイルを選択でき、生活の質向上に資する、子育てしやすく子どもにやさしいまちづくりのあり方を、都市、交通、建築、福祉、教育等、学際的な幅広い視点から総合的かつ具体的に検討することを目的とする。また、本小委員会では、土木計画学および他分野で活躍する研究者、実務者、行政、民間、NPO等、子ども・子育てとまちづくりに関心を有するメンバーが集まり、産学官連携体制のもとで、子育てしやすく子どもにやさしいまちづくりの実現のための理論的・実践的研究を行うものである。2014年6月〜2017年3月まで研究活動を行った「少子高齢社会における子育てしやすいまちづくり研究小委員会」を発展させる位置づけである。具体的な研究内容を以下に挙げる:
 ・子どもの健康な生活と安全・安心な外出を実現する環境整備に関する研究
 ・子育てしやすく子どもにやさしいまちづくりに資する施策の評価に関する研究
 ・子育て世帯や子どもの生活活動・交通行動および生活の質のモデリングに関する研究
 ・子どもと子育てに対する人々の意識・理解向上のための方法論に関する研究